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ともにはたらく ともにくらす ともにいきる †
暁光会大阪支部はエマウスのコミュニティで、ともに働いて、ともに暮らしています。
わたしたちの仕事は廃品回収の仕事です。紙くずを1kg、鉄くずを1kg売って何円という仕事で、あまり儲かることはありませんが、十分にうちのコミュニティのメンバーの、毎日の生活を支えてくれる上に、もっと困っているひと、つまり、いま路上で寝起きせざるを得ないひとや、仕事や家を失ってどうしたらいいのか、路頭に迷っているひとたちに、うちに泊まっていきなよ、と言ってあげられる建物、部屋、食事を提供できるお金は齎してくれます。
社会福祉法人暁光会 †
1954年、神戸に誕生しました。戦後の日本にやってきて、何ができるのか考えたバラード神父は、当時東京にあった蟻の町?に行き、そこにくらす人々や北原聡子?さんと出会います。
バラード神父は神戸にもどり、蟻の町で学んだ活動をはじめました。
生田川の河川敷ではじまった活動で、大阪市の西成区北津守に200坪の土地の購入と、カトリック大阪大司教区から600坪の土地を借りるにいたり、そこにエマウスコミュニティと保育園を作るために、法人格を取得しました。これは当時この地域に保育園がなかったためです。浪速区の芦原橋から、津守にかけては、学校や医療機関でさえ、たくさんの人たちが努力をしなければ存在し得なかった地域でした。これが現在のひかり学園です。
また、箕面に作られたコミュニティは、果樹園や養豚などをしていましたが、北原聡子さんの姓を冠した北原記念病院を経て、現在のあかつき特別養護老人ホームとなりました。北原聡子さんは、若くして亡くなりましたが、後に蟻の町のマリアと呼ばれた人です。
また東京では、作家の須賀敦子さんの尽力を得て、エマウスの家が1974年に誕生しました。
エマウス運動 Emmaüs mouvement †
第2次大戦中は、反ナチスの地下抵抗運動に参加し、戦後はフランスの国会議員も務めたアベ･ピエール神父が、戦争で合い争い、分断された国々の若者たちのために作ったユースホステルの名前がエマウスでした。これは聖書の中で、復活したキリストが最初にエマウスという町に現れたことから希望を意味する名前となりました。 まだ戦争の災禍の残る時代、このユースホステルには家や職や、寄る辺を失った人たちが避難していましたが、その人たちの中から、自らの生活を勝ちとって行こうという動きだしました。そうして始まったのが、廃品回収とリサイクルで、この活動は思いのほか収益をあげ、そのお金で土地を買い、家を建て、より困っている人たちに呼びかけ、ともに働き、ともに暮らしました。いつしかエマウスという名前は、そうした活動をさす言葉となりました。また、家具や骨董品の安く買えるところ、あるいは不要になったベッドや衣類を引き取ってもらうところでもあります。
- Emmaüs international? エマウスインターナショナル
- 論文「エマユス運動とアベ･ピエール、またそのシステムの有用性について」?
〜日本の現状に対する提言も含めて〜 田中秀和 2005 PDF
アベ・ピエール Abbé Pierre †
こうしたエマウスの活動を拡げ支えたのは、アベ･ピエール神父の大きな力でした。買った土地にあたらしい家を建てようとしていると、役人が建築許可を出ていない、即刻止めるように言ってきたときに、家のない人たちを待たせておくわけにはいかない、文句があるなら建設大臣にわたしのところに来るように、と言って建ててしまったことなど、エピソードに事欠きませんが、なかでも1954年の冬、パリの路上でひとりの女性が凍死したことに端を発した「友よ助けてくれ！」とはじまるラジオでの呼びかけは、とても有名です。
以来、アベ･ピエールは、「愛する有名人」というアンケートで、常に上位にランクインし、また「フランスの良心」と呼ばれたアベ・ピエールですが、2007年1月22日に94歳で帰天しました。